クリニック経営 Q&A

テーマ1:ビジョン経営

Q1:ビジョンとか経営理念が必要と言われますが、考えたこともありません。何から考えればいいでしょうか。

 

A1:ビジョンや経営理念は、クリニックの経営に一番大切な基礎になるものです。

必要かなと思われたら、いいチャンスです。この機会に言葉に表しましょう。

ビジョンや経営理念といっても、特別のことではありません。先生が開業しようと思った時、どんなことを考えたでしょうか。

それを改めて整理し、言葉に表してみましょう。

 

【ビジョン】

ビジョンは○年後、どうなっていたいかのイメージです。あまり遠い将来ではなく、3年後、5年後、10年後くらいのイメージです。

ビジョンは、Visionという言葉が示す通り、「目に見えるイメージ」で将来のあるべき姿、ありたい姿を描いたものです。

 

先生は、例えば、5年後どうなっていたいですか?

クリニックに来る患者さんは、どんな症状で苦しんでいるのでしょうか。その患者さんたちにどんな治療を提供していますか。

毎日の患者さんの数、働く職員は何人くらいですか。

スタッフには優しい笑顔がありますか?

しっかり先生の気持ちを受け止めて患者さんに寄り添っていますか?

 

経営を持続するための医療収益は目標通りでしょうか。

どんな患者さんが何人ぐらい来ているのでしょうか。

 

先生自身の夢の実現はどのくらいかなっているでしょうか。

 

こんなことを具体的にイメージして、頭に描き、数字に表してください。それが数年後のクリニックのビジョンになります。

 

【経営理念】

経営理念は、経営者の価値観や信念を言葉に表したものであり、事業戦略の策定やスタッフの行動指針のもととなる判断基準です。「経営理念」として明文化していなくても、院長がいつも大切にしていた考えや普段からスタッフや取引先に話している想いを改めて言葉にしてみてください。

 

経営理念は、難しい概念的な言葉よりも、スタッフと共有しやすいわかりやすい言葉遣いが一番です。

経営理念とは別に自院の考え方を一言で表したキャッチフレーズを作ることも役に立ちます。キャッチフレーズがあれば、新入スタッフの採用時やOJTのトレーニング時、また、スタッフが患者様への挨拶の中で、「当院はこういう考え方のクリニックです。」と一言で伝えることができます。先生やスタッフが普段から自分の言葉で伝えることで、自院の考え方を根付かせる効果があります。

 

テーマ2:自立した組織

Q2:自立した組織作りが大事と聞きますが、スタッフに色々任せようとしても、私にはできないとか否定的な声が多く、やっぱり院長である私が抱え込むことになります。また、やっと任せることができると思ったらやめてしまうので、最初から任せたことが間違いだったのかと思います。

 

A2:クリニックで一番難しいことの一つが組織作りであり、成功しているクリニックの成功の秘訣も組織作りと言えるでしょう。

 

理想的には、採用時にクリニックとしての「理念」「ビジョン」を伝え、それに共感できるスタッフだけを採用すること。既に組織ができている場合は、改めて、クリニックの運営方針を定め、スタッフの役割を決め、任せていくことです。一方的に伝えるだけでなく、こんな組織、こんなクリニックにしたい、だからこうして欲しいと思うが、どう思うか、どうしたいかというように、方針を決めた上で一緒に組織を作っていくという姿勢も大切です。

 

全てを先生が決め、その通りにスタッフが動く組織は、結局、指示待ち人間ばかりになってしまいます。任せながら違うと思った場合は、必ずその違いを確認し、意見を交換した上で修正するようにします。任せっぱなしでなくスタッフの意見も聞きながら、ビジョンに向けて軌道修正していく、時間はかかりますが、必要なプロセスです。任せることによって、スタッフが育ち、自走できる組織になります。 

テーマ3:お金のこと

Q3:お金のことは、税理士に任せっぱなしです。説明を聞いてもよくわかりません。

A3:先生が経営に関して苦手に思う第一は、お金の管理かもしれません。

経営上、先生がわかってないと困るのは、毎月、きちんとお金が回っているのか(資金繰り)、給与や費用にどこまでお金を使っていいのか、今後の設備投資の計画をどのように決めたらいいのか、つまり、経営判断に必要なお金の知識です。

 

税理士の説明が分からなければ分かるまでポイントを絞って説明を求めましょう。専門用語が分からなければ、分かる言葉で説明することを求めて構いません。とにかく今後のクリニック経営は、院長の決断のもとに進んでいきます。

 

戦略MQ会計は、経営者としてクリニック経営に関わるお金の全体枠を把握し、持続的な経営を行うための医療収益と費用の構造を図で理解します。その上で、毎月の経営上、把握すべきお金の流れと今後の戦略のために必要なお金について理解し、経営判断することができるようになります。さらに、先生だけがお金のことをわかっている組織ではなく、スタッフ全員がクリニック運営のお金について共有し、それぞれの役割を理解し、ともに成長し続けることができる組織になります。