ブランディング

私の原点


価値を伝えるマーケティング

前職でデンマークの音響メーカー

Bang & Olufsen(バング&オルフセン)の

日本法人の創業メンバーとして入社し、

2009年までの27年PR・マーケティングマネージャーの仕事をしていました。

 

 

ずっと心がけていたのは

「価値を伝えるマーケティング!」

 

 

その頃、日本でBang & Olufsenを知っているのは

ヨーロッパの高級ブランドとしての評判を知っている人

ヤマギワさんなどのインテリアや音響の専門家から

紹介された人など、ごく一部でした。

 

 

数少ないお客様から

「デザインはいいけど、音はどうなの?」

「すごくデザインがいいから、高いのよね」

などと言う声が聞こえてきました。

 


「デザインが素晴らしい」

 

それは確かに最大の強みかもしれない

でも、デザインを売りにしている限り、

Bang & Olufsenの世界観を

伝えることは難しいと思いました。

 

 

 

当時も今も商品作りのコンセプトは

変わっていないと思います。

 

 

『人の眼・耳で自然な音、映像を再現』

 

『家庭で使うものだから、空間に調和するデザインは当たり前』

 

『オーディオマニアではなく、音楽ファンのための商品』

 

『簡単でシンプルな操作で、空間が音で満たされるように』

 

『10年使えるように何年もかけて企画・商品づくりをする』

 

 


照明器具のルイス・ポールセン

 

家具のフリッツ・ハンセンやハンス・ウェグナー

 

銀カトラリー・アクセサアリーのジョージ・ジェンセン

 

長い歴史を持つデンマークのブランドと

同じ価値観です。

 

使い捨ての家電品ではなく

家族で大切に使い続けていく大事な家具と同じ

生活のパートナーのようなコンセプトを 伝えたいと思いました。

 

オーディオ大国の日本メーカーが

毎年春秋に 新製品を出して買い替えを促していたのとは

正反対のマーケティングです。

 

デザインがいいのは 家庭で使うための最低基準であり

真に伝えたいのは

Bang & Olufsenと過ごすライフスタイル

音楽のある空間の魅力、お客様の世界観です。

 


・店舗ではリモコンを渡して音と映像の空間を体感していただく

 

・カタログは、お客様の感情を伝える

 

・ニュースレターで商品づくりのコンセプトや

 デンマークの作り手をストーリーで紹介する

 

・プレスツアーでデンマーク本社工場や

 Bang & Olufsenが生まれた環境を紹介する

 

・価値共有するデザイナーとのデザイン展 

 Bang & Olufsenの世界観を表現する

 

・ユーザーでもある音楽家やデザイナーへのイベント協力

 


 同じターゲットのお客様を持つブランドと

お客様向けのイベントをジョイントで数多く開催していました。

 

たくさんの人にブランドを知っていただくことが

目的ではありません。

知っていただきたい人に

私たちが大切にしている気持ち、想いを伝える

そんなことをずっと続けてきました。

 

 

取材で全国のお客様のご自宅・仕事場・オフィスに

訪問させていただき

こんな言葉をいただきました。

 

 

「Bang & Olufsenに出会えてよかった。

これでオーディオのことは一生悩みません」

 

「アメリカ暮らしの長い息子から

パパの品性にふさわしいのは

アメリカや日本のオーディオじゃない。

Bang & Olufsenしかないと勧められた」

 

「ごく一部の人しか知らない

こんなに素晴らしいブランドを自分が持っている。

このブランドを誰よりも知っている。それが誇りです。」

 

 

たくさんの音楽家やアーチスト、デザイナー

そしてファンの方が

周りの人に自分の想い、言葉で

魅力を熱く語っていただきました。

 


私がいたのは、1982年から2008年まで

 

デザイナーは

MOMAコレクションのデザイナー、Jacob Jensenから

David Lewisに代わり、さらに次の世代へ模索していた頃、

経営面では

経営危機から立ち直らせたAnders Knutsenの時代

 

プレスツアーや社長、デザイナー来日のたびに

取材に立ち合いたくさんのことを学びました。

 

 

大事なことは全てBang & Olufsenを通して出会った

たくさんの素晴らしい人たちに教えてもらいました。

 

 


そんな天職のように愛していたブランドを

リーマンショックで離れて11年になります。

 

Bang & Olufsenの名前を聴いて

知らない人は全く知らない

それは問題ではありません。

 

でも知っている人からは

「大好きです」「あこがれています」と

言っていただけます。

 

 

そんな時、私の27年をとても誇らしく思います。

 

 

ターゲットのお客様に向けて価値を伝えるマーケティングを続けること

それがブランディングの王道です。

 


ブランドとは

ブランドといえば、ファッションブランドや高級車ブランドを思い浮かべるかもしれません。ブランドは、その名前を見たり聞いたりした時に、頭の中に浮かぶイメージです。先生一人の診療所でも、「先生なら安心」、「先生が言うなら間違いない」と言われる信頼関係を築いているなら、立派なブランドです。

 

ブランドが「あるべき姿のイメージを作る」ことに対して、ブランディングはそのブランドを伝える活動です。

 

先生はどんな思いで開業されましたか?この地域でどんな患者様を元気にしたいと考えましたか?

 

 

その夢を診療所の将来あるべき姿(ビジョン)として描いて、スタッフや患者様に明確に示しましたか?先生でなければ提供できない価値、それを地域や患者、そして働くスタッフとの約束として伝えること、それがブランディングです。    


ビジョンの実現

 ビジョンは、将来どんな組織になっていたいか、地域でどんな存在になっていたいか、つまりゴールを示したものです。

 

それが、わかりやすい言葉で、具体的に示されていれば示されているほど、実現の可能性が高まります。逆にいえば、ビジョンが示されていなければゴールが見えません。いくら先生がビジョンを描いていたとしても、スタッフと共有することができなければ、実現は難しいでしょう。

    

【経営理念】

ビジョンが具体的なゴールのイメージであるのに対して、「経営理念」は、経営者(院長)および組織の価値観や信念を言葉に表したものです。

 

事業戦略の策定やスタッフの行動指針のもととなる判断基準です。「経営理念」として明文化していなくても、院長がこれまで大切にしていた考えや普段からスタッフやに話している想いを改めて言葉にしてみるとわかるでしょう。    

 

強みの見える化

 自院の強みは何でしょうか?それはどうして強みと言えるのでしょうか?

 

注意していただきたいのは、院長やスタッフが強みと思っていることが、患者様や周りの方からは、評価されていないことがあることです。

 

どうすれば、強みを確認できるでしょうか?それは、患者様や周りの人に聞いてみることです。

逆に、自院では当たり前のことで、強みでも何でもないと思っていても、他院ではコストやスタッフの能力によりできない場合には、気がつかないうちに他院との差別化になっていることもよくあります。

自院の強みは、「競争力の源泉」となります。正しく認識し、見える化することで、ブランディングにつながります。

 

自立した組織作り

クリニックで一番難しいことの一つが組織作りかもしれません。 

院長には、医師と経営者の2つの役割があります。 医師としての役割だけでも、診療時間以外に、院長自身の医療情報の収集や学び、医療スタッフの教育、地域の医師会での仕事に多くの時間を割く必要があります。

 

しかし、開業して初めて気がつくのは、クリニックの経営にはさまざまなスタッフの力が必要であり、経営者として日々、さまざまな決断をしなければならないことでしょう。

 

勤務医であった時には、経営陣でなければ、日々の診療以外の看護師や事務スタッフの採用、育成、医療に必要な機材や備品の購入、委託業者との契約など、医療機関の運営上必要な業務には、ほとんど携わっていなかったかもしれません。しかし、開業するとクリニック経営の業務全てが院長の責任のもとに行われることになります。スタッフ同士のトラブルや患者からのクレームにも院長が対応することが求めれられます。

 

自立した組織づくりの第一歩は、クリニックとしての「理念」「ビジョン」を定め、発信していくこと、そしてそれに基づき、クリニックの運営方針を定め、中で働くスタッフの役割を決め、任せていくことです。任せることによって、スタッフが育ち、自走できる組織になります。